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25日投票の欧州議会選挙で移民排斥を掲げる極右・国民戦線(FN)が第1党を獲得したフランスで29日、1人の高校生の呼び掛けに応じ、全国20以上の都市で学生中心の「反FNデモ」が実施されました。パリでは約8000人が参加。「人種差別の政治はいらない」と声をそろえ、極右の台頭に抗議しました。
デモを主催した全国学生連合、独立民主高校生連盟など12団体は共同声明で、選挙結果は「民主主義の深刻な危機だ」と指摘。「若者は平等と連帯の価値観を持っている」と述べ「極右が私たちの代弁者になることを拒否する」と訴えました。
パリのデモ出発地となったバスティーユ広場には「歴史に逆行するな」「欧州のみんな、(極右の台頭を許して)ごめんなさい」などと書かれたプラカードが林立。広場を埋め尽くす若者からは「私たちの街に極右はいらない。極右のための居場所はない」との唱和が起こりました。
世論調査会社IPSOSによると、今回の選挙では同国の35歳以下の約3割がFNに投票しました。
「批判票では問題解決にならない」とのプラカードを掲げデモに参加したマチルド・カルベさん(21)は「FNに投票した人は、その害悪に気付いていないだけ。現政権への批判として過激な政党に票が集まるのはいつものことだけど、人道に反するFNを支持したわけではない」と語気を強めました。
デモのきっかけとなったのは、南部マルセイユに住む1人の男子高校生(17)です。この高校生は欧州議会選の翌日、自身のフェイスブックで「FNの人種差別、外国人嫌悪や憎悪、閉鎖性を告発し、フランス人はこれらの価値観を共有しないと表明しよう」と呼び掛け。これに応じた学生団体や労働組合がデモを組織しました。
今回のデモには、大学生とともに多くの高校生も参加しました。
パリのデモに参加した女子高校生(15)は「FNの描くフランスは、私たちのフランスとは全く違う。多くの人がFNに投票した中で、選挙権を持たない私たちにできる意思表示はデモだけです」と語りました。
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