■調停委員:外国籍認めず 最高裁、10年間に31人拒否(毎日新聞)引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
訴訟外で紛争の解決に関わる調停委員には日本国籍が必要として、各地の弁護士会が推薦した韓国籍の弁護士の任命を裁判所側が拒んでいる。毎日新聞の調べで、約10年に全国で少なくとも延べ31人が拒否された。任命する最高裁は「公権力を行使する国家公務員だから」と理由を説明するが、最高裁規則で調停委員の欠格事由に国籍は含まれていないことなどから、弁護士会側は反発を強めている。
調停委員は一定枠について、弁護士会が選んだ弁護士を各裁判所が最高裁に推薦している。しかし、裁判所側は外国籍の弁護士を推薦しないという。
この問題に取り組む兵庫県弁護士会の吉井正明弁護士によると、最初の拒否は2003年。同県弁護士会が韓国籍の女性弁護士を推薦したが、神戸家裁は「日本国籍ではないので最高裁に上申しない」と拒絶した。
その後も同様の事例が続いた。毎日新聞の調べでは、大阪、兵庫、東京、仙台など6弁護士会が05〜13年度、韓国籍の弁護士延べ30人を裁判所に推薦したが、全員拒まれた。最高裁は「公権力を行使する公務員には日本国籍が必要」という内閣法制局の見解に基づき、外国籍の人はふさわしくないとの立場だ。
具体的には(1)調停が成立した場合の調停調書は確定判決と同じ効力がある(2)裁判官と調停委員で作る調停委員会の呼び出しに応じない当事者に過料を科すことがある−−などから、調停委員の業務は公権力の行使に当たるという。
しかし、日本弁護士連合会や各弁護士会は真っ向から反論する。(1)当事者の話し合いを仲介するのが仕事(2)調停調書は当事者の合意がない限り作られない−−などとして、公権力の行使ではないと訴える。さらに「外国人が絡む紛争も増え、外国籍の調停委員も必要。定住し日本社会に精通しているのに、国籍で拒むのは差別だ」と見直しを求めている。
事実、外国籍の調停委員が任命された例もある。1974〜88年、台湾籍の男性弁護士が大阪の簡裁で調停委員を務めた。最高裁は毎日新聞の取材に「任命の経緯は不明だが、元々、日本の裁判官で、戦後に台湾籍になった弁護士だった。極めて特殊で先例にならない」としている。【小林慎】
【ことば】調停委員
裁判官と共に当事者の話し合いを仲介し紛争解決を目指す。金銭トラブルなどの民事調停、離婚や相続の家事調停が対象。最高裁が任命し、任期は2年。40歳以上70歳未満で、弁護士、医師、大学教授など各分野の専門家らが選ばれる。昨年4月時点で約2万3000人。
元最高裁判事で最高裁事務総長を務めた泉徳治弁護士の話 調停委員は公権力を行使する仕事ではない。紛争当事者の意向を無視して裁定ができるわけではなく、調停に出ない人に過料を科すのも裁判官の判断だ。最高裁はこだわり過ぎではないか。台湾籍の弁護士を任命した前例があるのなら、同じ特別永住者の在日韓国人を拒むのはおかしい。
百地章・日本大教授(憲法学)の話 日本国民に限定することに全く問題はない。調停委員の仕事が司法権の一角を担っているのは間違いないのだから、憲法の国民主権の観点からも外国人は任命できないと解すべきだ。これは差別とは異なる。台湾籍の弁護士が就任した例は、そのこと自体を問題にするべきで、容認する理由にはならない。
◇公権力行使 弁護士会と溝
最高裁は、簡易裁判所の民事訴訟で裁判官を補助する司法委員についても外国籍の選任を認めていない。日本に定住する外国人の司法参加を巡り、最高裁と弁護士会側の溝は埋まらないままだ。
以前は、司法修習生の選考要項にも日本国籍を必要とする「国籍条項」があった。司法試験の受験資格に国籍条項はないが、合格した外国人は日本国籍を取らないと修習生に採用されなかった。検察修習で容疑者を取り調べたり、裁判修習で裁判官の非公開の合議に立ち会ったりすることがあり、公権力の行使に当たるとされた。
しかし、1976年、司法試験に合格した韓国籍の故金敬得(キム・キョンドク)さんが「外国人に門戸を開かないのは不当だ」と訴え、最高裁は翌年、外国籍でも特例として採用することにした。金さんは在日韓国人として初めて弁護士になった。最高裁は2009年、国籍条項そのものも削除した。
外国籍のままでは裁判官と検察官に任官されず、外国籍の司法修習生の大半は弁護士になっている。その数は165人(今年4月時点)で在日韓国人が多いとみられる。
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posted by nandemoarinsu at 22:16
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