引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
1 樽悶 ★ sage New! 2018/09/24(月) 17:15:05.23 ID:CAP_USER9.net
識字教室「星空」で増住恵さん(左)から褒められ、喜ぶ権田祐也さん=神戸市兵庫区で、桜井由紀治撮影
http://cdn.mainichi.jp/vol1/2018/09/23/20180923oog00m010030000p/9.jpg
今春、重度脳性まひの中学男子生徒が、夜間定時制の神戸市立楠高校(同市兵庫区)を受験、受験者数が募集人員を下回る定員割れだったのに不合格となった。兵庫県淡路市の権田祐也さん(16)。県内の公立高校入試でただ一人の「定員内不合格」だった。卒業後の行き場を失った祐也さんは、楠高校内にある識字教室に通うが、「高校生になりたい」という思いは消えない。障害者の定員内不合格は全国の高校で相次ぐ。共に学ぶとは何かを考える。
週2日の識字教室
「東京五輪は何年に開かれますか。五つの中から答えを選びなさい」。楠高校元教師の増住恵さん(65)が読み上げる選択肢の一つ「2020年」に、祐也さんは「うん」と大きくうなずく。「正解。よく分かったな」。増住さんに褒められ、彼は顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
楠高校の図書室にある識字教室「星空」。学ぶ機会に恵まれなかった高齢者や在日外国人ら約20人が読み書きを習う。春以降、家にこもりがちでストレスをためる祐也さんを知った増住さんが、ボランティア講師をする星空に誘った。母由記子さん(43)が付き添い5月から通う。週2日80分程度の学習時間だが、彼にとって唯一の学びの場だ。
祐也さんは身体障害者手帳1級の最重度で、自ら体を動かせず全面介助が必要だ。話すことができず筆記も取れないが、「はい」「いいえ」の意思表示はできる。増住さんは選択肢問題ばかりのプリントを作り、一対一で教える。「教える側に彼とつながろうという意識さえあれば、通じ合える」と手応えを感じる。
人との関わりが大好きな祐也さんは、すっかり教室に溶け込んでいる。家が貧しく学校に通えなかったという女性(76)は、別れ際「またね」と彼の手を握り、彼も笑顔で応える。70歳を過ぎて字を覚えた在日コリアンのハルモニ(おばあさん)は「星空に来る人はみんな仲間。学びたい気持ちは痛いほど分かる」と、優しいまなざしを向ける。
親子が学習を終え校門を出る夕方、楠高校の生徒が登校してくる。合格していたら、この中に息子もいたはずだ。そう思うと、由記子さんはつらい。祐也さんも彼らを目で追いかける。「この子も高校生になりたいんだ」
看護師配置の例なし
祐也さんは障害のない子と一緒に地域の学校に通った。小学校のマラソンでは、級友が交代で彼の歩行器を押して走った。中学では野球部に所属。背番号をもらい、最後の試合は円陣の中心に入った。みんな嫌な顔ひとつせず、流れるよだれを拭いてくれた。彼らが自然に接することができるのは、幼い頃から地域で共に成長してきたからだ。
祐也さんも友達から刺激を受けて伸びてきた。3桁同士の掛け算の筆算も解けるようになった。友達と同じように、高校へ行きたいという気持ちが芽生えた。代読・代筆者を付ける入試に備え、「はい」なら声を出して大きくうなずき、「いいえ」なら黙って首を横に振る訓練を重ねた。
祐也さんは3歳の時胃ろう手術をしており、医療的ケアが必要だ。淡路市は、保育所、小中学校と彼の進学先に看護師を配置した。一方、神戸市は市立高校に看護師を配置した例がない。祐也さんを支援する障害当事者団体「障害者問題を考える兵庫県連絡会議」(障問連)の要請に対して、市教委は「受験者が合格した段階で、看護師配置を検討する」と約束していた。
ところが祐也さんは80人の定員に対し61人が受験した今春の1次入試で唯一不合格、再募集の2次試験でも不合格だった。親子は1人だけ受験番号のない合格者名簿に、涙をあふれさせた。試験結果を開示請求すると、1次は全教科で得点、2次では1次を上回る点数の教科もあった。
合否は、校内の判定委員会で決める。定員内不合格者を出す場合、神戸市では校長から市教委に報告、判定が妥当か協議する。毎日新聞の取材に、市教委は「個別の入試結果については答えられない」としながら、「当該校の判定は妥当だった」と強調する。
合格発表直後、由記子さんは校長に不合格理由を聞いた。校長は「学校にはそれぞれ基準があって、不適合と判断した」などと説明。「どうやったら合格できるのか」と食い下がると、校長は「この1年間で彼が劇的に成長するとか」と発言したという。
「障害を克服しろということか。この子に空を飛べというのか」。
(続きはソース)
毎日新聞 2018年9月23日
http://mainichi.jp/articles/20180923/ddn/010/100/053000c?inb=ra
続きを読む