2012年09月21日

【琉球新報社説】「空飛ぶ恥」を飛ばすな 民主主義の正当性は沖縄の側にある

■「安全宣言」と沖縄 「空飛ぶ恥」を飛ばすな(琉球新報)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
日本の戦後の基軸をなしてきた日米安全保障体制は、その土台を支えてきた沖縄から崩壊しかねない危機的な状況を迎えた。
 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場への配備をめぐり、政府は見切り発車で「安全宣言」を出した。努力規定ばかりで実効性が乏しい代物である。安全だと納得する県民はいまい。
 日米両政府は、21日にも一時駐機先の山口県岩国基地で試験飛行を始め、沖縄への配備を遮二無二強行しようとしている。
 ごく限られた地域に、他の大多数の地域が恩恵を受ける安全保障の犠牲を負わせ続け、その重圧に苦しむ人々の叫びを無視して恥じない為政者の姿がくっきりした。
 仲井真弘多知事は「今の首相、今の政府が責任を全て持つということだ」と突き放し、翁長雄志那覇市長は「日本が沖縄に甘えているのではないか」と問い掛けた。
 もはや、沖縄と政府の溝は埋め難い。基地に向けた県民のまなざしは敵意を帯び始めた。
 万が一、県民の命を脅かす事故が起きれば、沖縄の民意はたちどころに日米安保の根幹と在沖基地閉鎖に矛先を向けるだろう。
 基地の島・沖縄からは、この国の成熟度がよく見える。統治機構の差別的対応をもはやこれ以上甘受できない。国際社会に向けて、より強く、より徹底的に日米の差別的政策を告発せざるを得ない。
 普天間飛行場の県内移設とオスプレイの配備をめぐり、県知事と全41市町村長が反対し、県議会と全市町村議会が反対を決議した。
 県民は、間接民主主義の手立てを誠実に尽くした。そして、直接民主主義を生かす手法として、10万人超が結集した県民大会を催し、強固な意思を発信した。それからわずか10日しかたっていない。
 沖縄には生身の人間が住み、声を上げている。決して政治的無人島でも植民地でもない。だが、日本政府の処し方は、米国の意向一辺倒に物事を進める呪縛にとらわれている。
 米メディアが「空飛ぶ恥」と称したオスプレイの配備強行は、沖縄への構造的差別を帯び、民主主義の価値を破壊する愚行である。
 だが、私たちは諦念を抱いたり、打ちひしがれることはない。日米の厚い壁を崩すため、ためらわず、粘り強く自己決定権を取り戻す主張を続けたい。民主主義の正当性は沖縄の側にある。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年09月08日

【社説】 「河野談話見直しに靖国参拝…『安倍首相』だと、中韓と偏狭なナショナリズムの応酬に。一国の指導者として不適格」…朝日★3

■安倍元首相―思慮に欠ける歴史発言(朝日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
自民党総裁選に向け、安倍晋三元首相がみずからの歴史観について活発に発言している。

 たとえば月刊誌のインタビューで、こう語っている。

 「自民党は、歴代政府の答弁や法解釈を引きずってきたが、新生・自民党では、しがらみを捨てて再スタートを切れる」

 「新生・自民党として、河野談話と村山談話に代わる新たな談話を閣議決定すべきだ」

 そして、自分が首相に返り咲けば、靖国神社に「いずれかのタイミングで参拝したいと考えている」と述べている。

 自民党の一部で根強い主張である。それにしても、首相経験者、さらには首相再登板をねらう政治家として、思慮に欠ける発言といわざるをえない。

 河野談話は慰安婦問題で旧日本軍の関与について、村山談話は過去の植民地支配と侵略について、それぞれ日本政府としての謝罪を表明したものだ。

 6年前、首相になる前の安倍氏は「自虐史観」に反発する議員の会の中核として、村山談話や河野談話を批判してきた。

 だが、首相になるや姿勢を一変させ、両談話の「継承」を表明した。政権を担う身として、対外宣言ともいえる外交の基本路線を覆せなかったからだ。

 安倍氏自身が靖国参拝を差し控えたこともあり、小泉政権で冷え切った中韓との関係を改善したのは安倍氏の功績だった。

 私たちは当時の社説で、そんな安倍氏の豹変(ひょうへん)を歓迎した。

 それがにわかに先祖返りしたかのような主張には、驚くばかりだ。再び首相になればそれを実行するというなら、方針転換の理由を説明してもらいたい。

 ふたつの談話は、安倍政権をふくめ、その後のすべての政権も踏襲した。韓国をはじめ近隣国との信頼を築くうえで重要な役割を果たしてきた。

 かりに首相に再登板した安倍氏がこれを引き継がないということになれば、日本外交が苦労して積み上げてきた国際社会の信頼を失いかねない。

 自民党の一部に再び安倍氏への期待が出ている背景には、尖閣諸島や竹島をめぐる中韓の刺激的な行動があるのだろう。

 しかし、それに安倍氏流で対抗すれば、偏狭なナショナリズムの応酬がエスカレートする恐れさえある。

 政治家が信念を語ること自体を否定するつもりはない。

 ただし、それには自分なら近隣国との外交をこう前進させるという展望を、しっかり示す責任が伴う。その覚悟なしに持論にこだわるなら、一国の政治指導者として不適格だ。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年08月30日

【社説】中国は元々諸外国の使節を大事にする国…多くの中国人は大使襲撃を恥ずかしく思っているはずだ(毎日)

■社説:日本大使車襲撃 北京は乱れてきたのか(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
北京で丹羽宇一郎・駐中国大使の乗った公用車が襲われた。さいわい大使や同乗の大使館員にけがはなかったが、車の日本国旗が奪われた。

 きわめて悪質な事件である。大使の旗を奪ったことは国家に対する侮辱である。さらに、車を止めたことは、大使に危害を加えることを暗示する脅迫行為である。日中関係を挑発することは、日中両国政府に対する敵意を示す政治テロ行為といっていいだろう。

 大使を接受した中国政府は厳正な捜査によって事件の真相を解明する義務がある。反日暴力の風潮を許しているかの誤解を受けないよう、再発防止を強く求めたい。

 BMWとアウディに乗った犯人グループは大使公用車を尾行し、1台が幅寄せして停車させたという。インターネットで流れる反日宣伝に浮かされて街頭でデモをする普通の若者たちの仕業ではない。高級外車は、中国では軍や党の高官やその子女、あるいは「黒社会」と呼ばれる反社会組織の幹部が乗ると思われている車だ。背後関係がありそうだ。

 大使館員が犯人の顔写真、犯行車両のナンバーを撮影して、公安当局に提出したという。北京市は防犯カメラが網の目のように設置され、テレビカメラを使ったナンバー読み取り追跡装置も発達している。犯人割り出しは難しいことではなかろう。(後略)
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年08月28日

【マスコミ】「冷静にというが、冷静になってほしいのは韓国の方」 岩手地域新聞の東海新報の大新聞批判にネットで絶賛の声

■「冷静にというが、冷静になってほしいのは韓国の方」 岩手地域新聞の大新聞批判にネットで絶賛の声(j-cast)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
竹島問題で日本政府に冷静になるよう呼びかけるメディアはおかしい、冷静になってほしいのは韓国の方だ――。こう異論を唱えた岩手県の地域新聞「東海新報」の主筆コラムに、ネット上で称賛が集まっている。

東海新報は、岩手新報、河北新報などに在籍した記者によって1958年に創刊された。岩手県大船渡市、陸前高田市、住田町をカバーしており、震災関連も含め、広く地域情報を発信している。

野田会見「異例」としたメディアも批判
竹島問題が取り上げられたのは、2代目の鈴木英彦社長が書いている主筆コラム「世迷言」だ。

2012年8月25日付コラムでは、日本政府が領土問題に関して、なあなあで事を収めようとしてきたことが、「弱腰」と見られてつけ込まれてきたと指摘した。韓国の居丈高な態度も、その延長線上にあるとして、日本も、「度が過ぎれば降りかかる火の粉を払わなければならなくなる」と言う。

そして、日本の一部メディアが「冷静に冷静に」と日本政府にも呼びかけることに対して、疑問を呈した。つまり、「冷静になってほしいのはお隣さんの方」ということだ。

コラムでは、一部メディアがどこかは触れていない。しかし、これは、朝日新聞や毎日新聞などを指すようだ。野田佳彦首相の親書を返しに来た韓国大使館職員を外務省が門前払いしたことを「大人げない」「子どもじみた応酬」と批判し、日本政府も頭を冷やすべきだと社説で指摘しているからだ。

ほかの日のコラムでも、韓国に反論した野田首相の会見を当たり前のこととしてではなく、「異例」だと報道したメディアを批判した。「偏狭なナショナリズム」と言われても、領土問題に関しては、日本帰属の正当性をあくまでも主張すべきだというのだ。

ネット上では、2ちゃんねるを中心に、このコラムを称賛する声が相次いでいる。(後略)
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年08月22日

【論説】慰安婦問題、誤解広げたのは宮沢内閣の河野談話 発端は一部全国紙の事実に反する報道

■慰安婦問題、誤解広げたのは宮沢内閣の河野談話(読売新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
いわゆる従軍慰安婦問題が日韓の論議となる背景には、宮沢内閣当時の1993年の河野洋平官房長官談話が、日本の官憲による強制連行があったかのような印象を与えた問題がある。


 慰安婦問題が日韓の政治・外交問題化したのは、一部全国紙が90年代初頭、戦時勤労動員だった「女子挺身隊」について、日本政府による“慰安婦狩り”だったと全く事実に反する報道をしたことが発端となった。韓国世論が硬化する中、政府は資料の調査と関係者からの聞き取りを行い、宮沢内閣の加藤紘一官房長官(当時)が92年、旧軍が慰安婦募集などに関与していたとする調査結果を発表した。しかし、強制連行の裏付けとなる資料は見つからなかった。

 韓国側の批判はなお収まらなかったため、宮沢内閣は翌93年、慰安婦の募集について「官憲等が直接これに加担したこともあった」などとし、「おわびと反省」を表明する河野談話を発表した。韓国側に配慮し、あいまいな表現で政治決着を図る狙いがあったが、逆に強制連行があったという誤解を内外に広げる結果につながった。

 談話作成にかかわった石原信雄元官房副長官は後に「強制連行を立証する資料はなく、慰安婦の証言をもとに総合判断として強制があったということになった」と証言した。安倍内閣当時の2007年には「政府が発見した資料の中に、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」とする政府答弁書を閣議決定している。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年08月19日

【中日新聞社説】「竹島」国際提訴 対立拡大避ける忍耐を★3

■「竹島」国際提訴 対立拡大避ける忍耐を(中日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
政府は島根県・竹島(韓国名・独島)の領有権問題で、近く国際司法裁判所に提訴する。韓国が拒否して裁判は成立しない見通しだが、韓国による実効支配は不法だと訴えるのが狙いだ。

 政府が竹島領有権を国際提訴するのは一九六五年の国交正常化以来初めて。李明博大統領が竹島を訪問したことへの対抗措置だ。

 日本は一九〇五年に竹島を島根県に編入した。第二次大戦終結を確認した五二年発効のサンフランシスコ講和条約では、日本が放棄すべき地域が明記されたが、竹島は含まれなかった。これらが日本が領有を主張する根拠である。

 これに対し、韓国は島根県への編入は日本の植民地支配の過程で行われたから無効だと反発する。警察の警備隊を常駐させ、埠頭(ふとう)やヘリポートなどを造って実効支配を強めている。強硬姿勢の背景には、黄海の排他的経済水域(EEZ)での漁船操業をめぐって中国と争うなど、海洋の権益では譲歩できないという事情もある。

 裁判が不成立になったとしても、日本側は自国領土だと裏付ける資料の収集と国際法の分析に力を入れる必要がある。「韓国の外交権を奪ったのと同じ時期に、竹島を領土にした」という韓国の主張に対抗するには、古地図や古文書の分析も含めて、なお相当な作業を強いられよう。

 日韓はこの十年余、「未来志向の関係」を掲げて交流と協力を拡大してきたが、双方にとって非常に難しい時代も予想される。

 韓国は来月にも竹島で防衛訓練をする予定で、今回海兵隊が上陸訓練をするとの情報がある。日本が「仮想敵国」だとの印象を世界に与えかねない。軍は参加しないよう自制を求めたい。

 次の争点は韓国人の元従軍慰安婦問題になるとみられる。李大統領は独立記念日の演説で、戦時の女性人権問題だと指摘し、「両国の次元を超え、人類の普遍的価値に反する行為」だと強調した。国連など国際会議で、主張をより強めるのではないか。

 竹島と戦後補償の問題は年末の大統領選でも争点になろう。候補者が競って強硬姿勢を示せば、国民に反日感情が広がり、日本側もまた反発するという「負の連鎖」になりかねない。これでは未来志向の関係は崩壊してしまう。

 互いの国益を主張しながらも、対立を拡大させず、関係をどう再構築するか。外交の忍耐強さと知恵が今まで以上に求められる。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年08月12日

【社説】大統領の竹島訪問、慰安婦問題を解決しない日本に苛立ちがあったのではないか(沖縄タイムス)

■[李大統領竹島訪問]歴史問題に不満表明か(沖縄タイムス)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 韓国の李明博(イミョンバク)大統領が、竹島(韓国名・独島(トクト))を訪問した。ヘリで上陸し、約1時間滞在したという。

 竹島は日韓双方が領有権を主張している島である。現在は韓国が宿舎や監視所を設置して警備隊員を常駐させ、島を実効支配している。

 日韓関係への配慮から、韓国はこれまで、大統領の竹島訪問を慎重に避けてきた。知日派として知られる李大統領が、日韓関係を台無しにすることを承知で、あえて竹島上陸を強行したのはなぜか。竹島上陸は韓国の立場からみても得策とはいえない。

 日本政府は、その日のうちに武藤正敏駐韓国大使を帰国させた。事実上の「召還」措置である。国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)への提訴も検討中だ。要するに李大統領は、自らの短慮によって、竹島が領有権問題をめぐる紛争地であることを国際社会にアナウンスしたことになる。

 李大統領は来年2月に任期切れを迎える。実兄や側近が不正資金事件で逮捕され、政権与党の中でも急速に求心力を失いつつあるといわれている。日本国内では「威信回復を狙った上陸」との見方が有力だ。

 しかし、それだけとは思えない。李大統領は竹島訪問に先立って、同島から約90キロ離れた鬱陸島(ウルルンド)を訪問し、住民らと昼食を共にした際、「従軍慰安婦問題を提起したのに、日本はまだ心からの謝罪表明をしていない。残念だ」と日本の対応を批判したという。

 李大統領の竹島訪問には、慰安婦問題の解決を迫る意思表示という側面もあったのではないか。

 韓国の憲法裁判所は2011年8月、慰安婦問題で韓国政府が日本側と個人請求権をめぐる交渉をしないのは基本権の侵害にあたる、と違憲の判断を示した。この判決を契機に韓国では、慰安婦問題が再燃し、日本大使館前で抗議行動が続いている。

 11年12月、京都で開かれた日韓首脳会談で、李大統領は初めて慰安婦問題を取り上げ、「優先的解決」を求めた。

 1965年の国交正常化の際、請求権協定を交わしており、法的には解決済み、というのが政府の公式見解である。李大統領がいら立ちを募らせていたのは間違いない。

 竹島が閣議決定によって島根県に編入されたのは1905年。この年に日本政府はソウルに統監府を置き、いわゆる統監政治を始める。日本政府による竹島編入と、日本による朝鮮半島植民地化の動きが、韓国の人々にとっては、重なって見えるのだという。

 韓国にとって竹島問題が「歴史問題」としての性格を帯びるのは、このような歴史的背景があるからだ。竹島問題と慰安婦問題は、「歴史問題」というキーワードを通してつながっている

 8月15日は、韓国にとって、日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」にあたる。時あたかも、日本の国内政治は、消費増税政局に没頭し外の動きが見えない状態。政府は足元を見られたのである。対抗措置だけでなく、日本外交の敗北を真摯(しんし)に反省する姿勢が求められる。 
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年08月07日

【北海道新聞】 「在留管理制度…不法滞在は好ましくない。だからといって国外退去が適切だろうか。何よりも多文化共生の視点が重要だ」

■在留管理制度 共生の視点欠かせない(8月6日)(北海道新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
3カ月を超え日本に正規滞在できる外国人だけを対象とする新たな在留管理制度が始まった。60年続き、不法滞在者も対象の外国人登録制度は廃止された。

 在日韓国・朝鮮人ら特別永住者は別の新制度に移行した。

 正規滞在者は特別永住者と同様、住民基本台帳に登録される。滞在期間は従来の最長3年から5年に延びた。出国から1年以内の再入国の許可手続きも原則不要となった。

 部分的には利便性は向上した。

 だが、全体的には管理を強める内容となっている。国には慎重な運用と柔軟な対応を求めたい。

 従来、外国人登録証の交付など登録事務は市町村が担ってきた。

 制度改正で外国人の在留管理は、出入国管理を受け持つ法務省に一元化された。個々の外国人の滞在状況をより正確に把握する目的からだ。

 法務省は正規滞在者に在留カードを交付する。以前の外国人登録証と同じで不携帯は処罰対象だ。

 転居した場合に「正当な理由」なく90日以内に届け出ないと在留資格が取り消される。日本人の配偶者として在留資格を得ている人が6カ月以上、結婚しているとは言えない状態が続いた場合も同様だ。

 杓子(しゃくし)定規な適用は慎むべきだ。

 新制度開始に際し法務省は、資格取り消しを免れる「正当な理由」の具体例を公表した。配偶者の暴力からの避難―などだ。外国人の不安解消のため、こうした対応は積極的に進めてほしい。

 これまで市町村は人道的見地から外国人登録制度を活用し、不法滞在者にも母子手帳の交付、子供の就学などのサービスを提供してきた。

 新制度でこれらの提供が難しくなるとの懸念が出ている。

 市町村が正規滞在者しか把握できなくなったためだ。札幌市は「従来通り対応したいが、就学案内などは出しようがない」と困惑する。

 この問題で住民基本台帳法付則は、政府が「必要な措置」を講じる、と定めている。政府は市町村の意見を聞き、対応を急ぐべきだ。

 昨年末の外国人登録者は道内約2万人を含む全国約208万人、不法滞在は全国約7万人だ。新制度は不法滞在者の潜行を招き、治安に悪影響を及ぼすとの指摘もある。

 不法滞在は好ましくない。だからといって在留期間の超過のみを理由とする国外退去が適切だろうか。わが国には高齢化を背景に外国人労働力に依存している現実がある。何よりも多文化共生の視点が重要だ。

 法務省は、在留特別許可制度の弾力的運用などで不法滞在者を減らすことこそ積極的に考えるべきだ。力ずくでは何も変わらない。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年08月06日

【社会】政権交代から三年目の夏を迎えました。あれから日本はリセットできたでしょうか…それどころか…

■週のはじめに考える リセットできない日本(東京新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 政権交代から三年目の夏を迎えました。あれから日本はリセットできたでしょうか。原発再稼働や消費税問題をみると、何も変わっていないどころか…。

 二〇〇九年八月の総選挙で長く続いた自民党政権から民主党政権に代わったとき、人々の間には「これで日本の政治が変わる」という期待感が盛り上がりました。

 民主党が掲げた「脱官僚・政治主導」と「地域主権」の旗は、たしかに新鮮に輝いていた。

◆脱官僚に失敗した政権
 ところが三年たって、期待感は見事なまでに裏切られたというほかありません。たとえば政治主導。国家戦略室を設けて担当大臣が官邸直結で国の大方針を詰めていくはずでした。

 そのためには、まず官僚を動かす基盤となる根拠法を定める必要がありますが、いまに至るも法律がありません。国家戦略室は「内閣総理大臣決定」という紙切れ一枚が設置根拠なのです。

 その結果、いまでも担当大臣がいて議論はしていますが、官僚からみれば「おしゃべり会議」同然です。役所の都合がいいように結論を誘導して閣議決定してしまえば、実際に予算を要求して政策を動かすのは相変わらず各省に委ねられています。

 そもそも役所の方針と異なる政策が出てきません。最近の日本再生戦略が典型です。全部で百十九ページもありますが、具体的に記されたのは天下りの受け皿になる官民ファンドの強化や新設ばかり。残りはほぼ官僚の作文です。

 地域主権はどうかといえば、国の出先機関改革一つとっても、目覚ましい進展がありません。たとえば雇用状況がこれだけ深刻なのに、国のハローワークを地方の実情に合わせて運用する特区は東西でわずか二カ所、埼玉県と佐賀県で始まっただけです。



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2012年08月05日

【信濃毎日】「オスプレイ配備」いったん白紙に戻せ…オスプレイ配備に象徴される米国追随の状態が続けば、国民の安全や国益を損なう

■日米防衛会談 オスプレイありきでは(信濃毎日新聞)

信濃毎日新聞社データベース部様より削除依頼がありましたので引用部分の削除を行いました。
引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで




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2012年07月25日

【毎日新聞】 「最近、福岡の街でも中国語が耳に入る。大陸に近い国際都市・福岡の進化は次のステージに入ったかのようだ」

■憂楽帳:很好(ヘンハオ)(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 博多・中洲の盛り場の外れで偶然入ったラーメン屋さん。「つけ麺」にした。「塩、みそ、しょうゆとありますが」。「塩を」。「塩が人気あります」。店を取り仕切る若い男性は、調子よく言うと、カウンターの隅に座った女性客と話しはじめた。二人は互いに中国語だった。

 最近、福岡の街でも中国語が耳に入る。クルーズ船の寄港も増え、天神地区での買い物に駆け回る中国人観光客のバイタリティーあふれる姿も目立つ。福岡市によると、中国籍の外国人登録者数は5月末で1万2384人で、10年前の1・5倍以上の伸び。大陸に近い国際都市・福岡の進化は次のステージに入ったかのようだ。

 さて、中国語が飛び交うラーメン店で、私も話したくなった。約30年前、第2外国語で習ったはずだが、頭に浮かぶのは「人民日報」とか、使えない単語ばかり。やっと「很好(とてもよい)」が浮かび、食べ終わって席を立つ際、彼に献上した。「よく知ってますね」。調子よく日本語で返され、話は終わった。わずか1往復。かえって自分の国際化の貧しさを感じ、寂しい気分で店を出た。【下薗和仁】
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年07月24日

【毎日新聞】稲田佳代「生活保護費でパチンコは不正受給ではない」「不正受給を取り締まっても受給者は減らない」

■生きられる社会へ:生活保護の今 「不正受給」取り締まっても 保護必要な人は減らない(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
人気お笑い芸人の母親の生活保護受給を批判する報道を機に「不正受給の取り締まりを強化すべきだ」という声が高まっている。一方、不正をなくそうとするあまり、行政がさまざまな理由をつけて保護を受けさせない「水際作戦」を行った結果、保護を受けられなかった人が餓死する事件も相次いでいる。そもそも「不正受給」とは何なのか。そして「本当に必要な人にだけ給付を」と、簡単に言い切ることはできるのか。【稲田佳代】

 ◇貧困から抜け出せる仕組みを
 収入の多い子を持つ親が生活保護を受けている、働けるのに保護を受けている、保護費でパチンコをしている−−。「不正受給」について、こうしたイメージを持つ人も少なくないだろう。だが実際は、これらのどのケースも「不正」には当たらない。

 収入の多い家族がいても、本人が困窮していれば、保護を受けられる。家族の扶養は、生活保護の要件ではない。また、生活保護は憲法25条の「生存権」に基づく制度で「無差別平等の原則」があるため、働ける年齢の人でも、困窮していれば保護を受けられる。さらに、保護費は使い道を限定しておらず、やりくりの範囲でパチンコをしても「不正」とは言えない。

 では、どういうケースが「不正」なのか。

 生活保護法78条は、うそをつくなど不正な手段で保護を受けた人に対し、自治体がその額を徴収できると定めている。10年度は約37億円が返還された。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年07月06日

【原発事故】東電会見、フリーライター出入り禁止に

■東電会見「出入り禁止」 音声生中継のフリーライター(朝日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 東京電力が本店で毎日開いている記者会見について、フリーライターの木野龍逸(りゅういち)さん(46)を出入り禁止にしていたことが5日、分かった。6月27日の株主総会で、東電が音声や映像を流さないよう報道側に求めたのに対し、木野さんがインターネットを通じて音声の生中継を行ったことが「ルール違反になる」と判断したという。

 「検証 福島原発事故・記者会見――東電・政府は何を隠したのか」の著書がある木野さんは、福島で原発事故が起きた昨年3月以降、東電の記者会見にほぼ連日、出席してきた。株主総会では、会場から総会の音声をスマートフォンを使って配信したという。

 東電広報部は朝日新聞の取材に、「株主総会は会社と株主が議論する場。プライバシーに配慮し、録音や録画を、そのまま流さないようお願いしていた。ルールに違反したため、記者会見にも参加しないよう求めた」と説明している。

 木野さんは6月27日夕の会見以降、出席が認められていないといい、取材に対し、「原発事故で国民に損害を与え、税金投入で事実上の国有化が進む中、株主総会の映像や音声を公開できないこと自体に問題がある」と話した。(西本秀)
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで



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2012年07月02日

【毎日新聞】 「人事担当者様、発達障害の学生たちをよろしく」

■余録:不思議に思われるにちがいない。超難関大学に合格…(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 不思議に思われるにちがいない。超難関大学に合格し在学中の成績も優秀なのに就職試験に落ち続ける。就活に苦戦している若者は珍しくないが、発達障害のある学生にとって就活はとりわけ厳しい▲「今日はいい天気だね」。あまり意味のない会話が苦手だ。「あなたの長所は?」。それに答えるとどのようなメリットがあるのかを聞きたくなる。以心伝心、言外の意味、周囲の空気を読む、ということがとても苦手な障害なのである▲けっして少数ではない。文部科学省の調査では学校で何らかの発達障害が疑われる児童は全体の6・3%に上った。毎年大学を卒業する人のうち発達障害のある人は数千人規模でいるとの指摘もある。親の育て方や環境のせいではない。先天的な要因で起きるが、外見ではわかりにくいせいもあって誤解される▲知的な遅れのある人は多いが、びっくりするほど知的能力の高い人もいる。最近、歯科医師や公認会計士の資格を持つ人が「障害者枠」で企業に採用されたと聞いた。「筆記試験は点数が取れても面接で落ち続けたらしいのです」。人事担当者は大いに驚いていた▲高性能の工業製品を大量生産して成長する分野に貢献できる人材が求められると、彼らは苦しい。しかし、均質で間違いの少ない人材よりも、独創性や深い洞察力・執着心が評価される時代になるとどうだろう▲エジソン、アインシュタインなどの天才はいずれも発達障害があったとされる。彼らがいなければ人類の進歩はなかったはずだ。イノベーションは横並び思考からは生まれない。人事担当者様、発達障害の学生たちをよろしく。
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2012年06月30日

【東京新聞】生レバー禁止に違和感 禁止の波が「卵かけご飯」に及ばないとも限らない

■レバ刺し禁止 食の文化も忘れずに(東京新聞)

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食品衛生法の基準が変わり、明日から牛の生レバーが食べられない。安全は最優先だ。だが、生食に代表される食文化も守りたい。おいしさをどのように伝えていくか。これを機によく考えたい。

 二年以下の懲役、または二百万円以下の罰金。レバ刺しを提供した飲食店は、このような重い罪に問われることになる。

 事の発端は昨年四月、北陸の焼き肉チェーンで、ユッケなどを食べた五人が死亡した食中毒事件である。この時、生食用肉提供の基準はあっても強制力がなく、規制が形骸化していたことが問題視され、批判を受けた厚生労働省は、厳罰化へと一気に舵(かじ)を切る。ユッケの場合、表面は加熱するよう義務付けた。

 一連の調査の中で、牛の肝から腸管出血性大腸菌O157が見つかった。胆管から肝臓内部に入り込んでおり、加熱では処理できない。このため厚労省は、ユッケより重い提供禁止の断を下した。

 食べ物としての生肝(なまぎも)は万葉集にも登場する。滋養が高く、権力層に好まれた。戦前にも、モダンな食材として、洋食店のメニューに載った。最近では、美容にいいと「ホルモンヌ」と呼ばれる若い女性の間にも広まった。

 O157の危険を否定するわけでは無論ない。しかし、食べ物は文化でもある。長く、多くの人に親しまれてきた食材が、一片の通知で簡単に葬り去られてしまうことには違和感がある。

 昨年一年間に発生した食中毒のうち、牛レバーの占める割合は約1%。生鮮魚介類によるものの二十分の一以下だ。生卵のサルモネラ中毒よりも下回る。

 生食は、日本食文化の華だ。禁止の波が「卵かけご飯」に及ばないとも限らない。米国では生卵の提供が原則禁止されている。すき焼きに生卵は添えられない。折しもカリフォルニア州では一日から、世界三大珍味の一つ、フォアグラが出せなくなる。飼育法が残虐だからという。

 口に入れるものである以上、食品に危険はつきまとう。私たち消費者は、食べ物に対して受け身になりすぎてはいないだろうか。どれほど知っているのだろうか。危険すなわち禁止では、かえって正しい食習慣や選択眼が身に付かない恐れもある。消費者も食文化の担い手なのだ。

 国などが食に関する正しい情報を提供し、業者、消費者はそれを正しく学んで、実行する。禁止は最後の手段である。
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【社説】 朝日新聞 「ニコンの慰安婦写真展中止騒動…ネットユーザーらの過激な批判や異なる考え認めない動きは問題。歴史に学べ」

■慰安婦写真展―表現できる社会を守る(朝日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 社会的影響力のある企業だけに残念でならない。大きな声にあわてて、大切なものを見失ってしまったのか。

 元従軍慰安婦をテーマにした写真展を、ニコンが一方的に中止すると決めた問題で、東京地裁は「ニコンは契約に基づき、会場を貸さなければならない」という仮処分決定を出した。同社は異議を申し立てたが、写真展は予定どおり始まった。

 裁判でニコン側は「写真文化の向上を目的とする会場を、政治性のある催しに貸せない」と主張した。これに対し地裁は、扱うテーマによっては一定の政治性を帯びるのが写真文化だと述べ、今回の企画はニコンが唱える「目的」に反するものとはいえないと結論づけた。

 表現活動を理解し、その自由を守る姿勢をはっきり示した判断といえる。

 今回の写真展をめぐっては、ネット上に「売国行為」といった批判が飛びかい、ニコンにも抗議が寄せられたという。こうした動きが中止の判断につながったのは想像に難くない。

 もめごとを避けたい気持ちはわかる。だが、いきなり公表の場を奪うのは乱暴にすぎる。

 ニコンのレンズは戦争や公害など世界の矛盾を切り取り、多くの喜びと悲しみを記録してきた。写真家への支援などの社会貢献でも高い評価を得ている。そんなイメージを、ほかでもない表現の自由をめぐる問題で傷つけてしまうとは。

 混乱が心配されるのなら、警察に協力を求めて万全を期す。それでも、客観的な事実に照らして、重大な事態が具体的に予測されるときに初めて中止などを検討する――。今回と似たようなケースをめぐって裁判所が重ねてきた判断を踏まえ、適切な対応をとるべきだった。

 写真の発表をふくむ表現・言論の自由が保障されているからこそ、人々は考えを互いに交換し、賛同者を増やしたり、逆に自分の誤りに気づくきっかけを得たりする。その土壌のうえに民主主義は成立する。

 ところが最近は、ネット空間の言論をはじめとして、異なる考えを認めず、過激な批判を浴びせ、萎縮させる動きがさかんだ。抗せず、なびいた方が無難という風潮も見え隠れする。そうして息苦しくなった世の中はどこへゆくのか。歴史の教訓に思いをいたすべきだ。

 ひと色に塗りこめられた社会は、もろく弱い。この国をそうさせないために、一人ひとりがそれぞれの現場で何をなすべきか。常に考え、知恵を働かさねばならない。
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2012年06月24日

【ゲンダイ】小沢夫人の「離縁状」コピーバラまかれはあまりにエゲツないし、やり口が卑怯だと日刊ゲンダイ

■えげつない 支援者に大量にバラまかれた小沢夫人の「離縁状」コピー(日刊ゲンダイ)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
おかしな展開になってきた。
 14日発売の週刊文春が掲載した「小沢一郎 妻からの『離縁状』」。民主党の小沢元代表の妻・和子さんが選挙区岩手の後援会関係者に宛てたものとされ、「福島原発事故後、小沢一郎は放射能が怖くて逃げた」などと小沢をケチョンケチョンにけなす内容の手紙だった。なんとそのコピーが、与野党の国会議員事務所だけでなく、小沢を支持する個人の自宅にまで大量にバラまかれていることがわかったのだ。
「差出人のない茶封筒に、全文11枚の手紙のコピーだけが入っていました。私は小沢さんに個人献金をしたことがあるので、公開された収支報告書から自宅住所がわかったのでしょうか」(コピーが届いた小沢支持者)
 21日あたりから、他の支持者にも同様の封筒が届いている。宛名は筆跡がわからないようワープロ打ち。消印は今月20日で、赤坂局の取り扱いになっている。つまり永田町周辺から投函された可能性もある。
 和子夫人の手紙を巡っては、雑誌掲載直後にマスコミ各社に一斉に同じ内容のコピーが届いていて、「こんな貴重な手紙のコピーが大量に出回るなんて、背後で大きな組織が関係しているとしか思えない」(大手マスコミ関係者)という声も出ていた。
 マスコミだけじゃなく、小沢の個人支持者にまでバラまかれるとは……。それも、消費増税法案の採決を控えたこのタイミングである。あまりにエゲツないやり口だ。
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2012年06月18日

【生活保護】 老親扶養義務は時代遅れ? 英国やスウェーデンでは成人した子の老親に対する扶養義務はない

■老親扶養義務は時代遅れ?(朝日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 利谷名誉教授によれば、明治時代の旧民法の制定過程では、民法から扶養規定自体を外せとの声もあった。「家族の扶養は道徳によるべきもので法律で定めるべきではない、との考えが根にあった」

 その後にできた明治民法では、家族内で扶養を受ける権利の順序をこう定めていた。(1)直系尊属(父母や祖父母)(2)直系卑属(子や孫)(3)配偶者……。「妻や子より親を養え、という規定だ。国民感情や生活実態に合わないとの批判も出たが、儒教道徳には沿っていた」。かつて「父母」は、扶養されるべき立場の筆頭に置かれていたのだ。

 戦後、新憲法のもとで民法改正作業が進んだ。「新しい憲法の原則を踏まえつつイエ制度も守る立場」も「イエ制度を完全に廃止して家族関係を近代化する立場」も主張された。様々な勢力の意見を取り入れる形で1947年、新しい民法はその形を整えた。

 「当時はまだ、現行の生活保護法も出来ていなかった。高齢者には『誰にも援助してもらえなくなってしまう』との不安が強かったと思う」。家族による扶養を求めた心情の一端を、利谷名誉教授はそう推察する。

 2012年現在の家族の状況をどう見ればいいか。社会福祉学が専門の岩田正美日本女子大教授は、「小家族化」への注目を促す。「兄弟が減り、子のいない夫婦も増えた。子どもが家族を扶養できる時代ではなくなってきている」

 家業を子が継承することが珍しくなかった時代には、家産を継承する者が老親を扶養することが自然だと見られるような「実態」があった。だが、雇用されて働く人の割合が増え、その実態も変わりつつある、と岩田教授は言う。

 自民党は「社会保障に関する基本的考え方」の中で、「家族による『自助』」を大事にする方向を打ち出した。「貧困に社会で対応すべきか、個人で対応させるべきか、その哲学がいま問われている」と、尾藤弁護士は訴えている。(塩倉裕)
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2012年06月13日

【社会】大阪市の入れ墨検査に疑問呈した毎日新聞記者 自分の入れ墨披露は拒否 なお、毎日新聞社はタトゥー禁止

■入れ墨検査に疑問呈した毎日新聞記者 自分の入れ墨披露拒否(newsポストセブン)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
橋下徹・大阪市長が旗を振る「入れ墨検査」で揺れる大阪市に、意外なところから「ちょっと待て」の声がかかった。

〈大阪市で行われた全職員を対象としたタトゥー(入れ墨)調査を、私は疑問に感じている。〉

 こう書いたのは、毎日新聞の杣谷健太記者。5月31日付の茨城版コラム「がんばっペン」で、「多様性こそ社会」と題し、「タトゥーは少数派で嫌悪感を抱く人がいることはわかるが、レッテルを貼って管理する必要があるのか」などと疑義を呈している。

 だが、内容より話題となったのは次の一節だった。

〈私は米国留学中にタトゥーを入れた。もちろん今も体にある。(中略)タトゥーを彫ったことを後悔したことはない。〉

 まさかのカミングアウト。いったいこの杣谷記者はどういう人物なのか。

「物腰柔らかだけど風貌は一風変わっていて、ソバージュのかかった長髪に口ヒゲ、ノーネクタイでスーツのズボンを腰パン状態ではいている。原発問題に関する記事を熱心に書いていた」(地元記者)

 評判を聞くに、なかなか硬骨漢のよう。ここは改めて「橋下批判」をぶってもらおうと本人を直撃したのだが……。

「私が会社の人間じゃなければお話しさせてもらいたいとは思うのですが……、今回は東京本社に聞いてもらえますか」

――答えられない?

「会社員なので……」

 と、拍子抜けのお返事。この理由を前出の地元記者が推測する。

「茨城ではそこまで話題にならなかったが、東京の記者仲間から問い合わせが殺到し、大騒ぎになってしまったようだ。地方版の記事は、基本的には支局のデスクに任されている。本社からかなり絞られたんじゃないでしょうか」

 毎日新聞社東京本社はこう説明する。

「執筆した記者のタトゥーについては入社前の健康診断で判明し、入社までに消すことを指導しました。本人もそれを了承し、通院し、消す治療を受けましたが、完全に消すことができないまま入社しました。

 入社後は、人目に触れないようにしていました。毎日新聞社は、社員に社会人としてふさわしい行動を求めており、今回の記事が掲載された経緯などについて調査しています」(社長室広報担当)

 ところで杣谷記者のタトゥーはどのような柄だったのか。見せてくれるよう本人にお願いしてみたが、「それは難しいですね」と、こちらもやんわりと拒否された。

※週刊ポスト2012年6月22日号
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2012年06月02日

【社説/中日新聞】 2ちゃんねる 自由守る自浄努力を

■2ちゃんねる 自由守る自浄努力を(中日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
 国内最大級のインターネット掲示板サイト「2ちゃんねる」が薬物取引の舞台になっているとして警視庁が調べている。市井の表現の場が損なわれないよう書き込み情報の健全な管理を望みたい。

 2ちゃんねるは幅広い分野の掲示板の集合体として一九九九年に開設された。インターネットの普及につれて若い世代を中心に爆発的に利用者が増え、一千万人を上回るとの見方もある。

 誰でも匿名で自由に発信できるのが特徴だ。それゆえ反社会的な情報もあふれ、警察当局は神経をとがらせている。

 ネット上には薬物密売を持ちかけたり、売買春に誘い込んだりとそれ自体が犯罪となる違法情報や、殺人予告、集団自殺の呼びかけなどの有害情報が流れている。

 警察庁の委託を受けた民間団体が六年前からそうした情報を収集し、サイトの管理者に削除を求めている。ところが、2ちゃんねるは非協力的という。

 昨年一年間で五千二百二十三件の違法情報の削除を依頼したのに、五千六十八件は放置された。ネット全体で削除されずに残された違法情報の94%を占めた。

 大半は薬物取引にまつわる内容だった。預金通帳や携帯電話の売り込みも多かった。重大な犯罪を助長する恐れのある書き込みが野放し状態なのは憂慮される。

 管理者は表現の場を提供しているにすぎない。情報の真偽を見分けるすべもないし、民間団体の求めに応じる義務もない。2ちゃんねるの創設者は「司法が違法と認めない限り合法」との立場だ。それでは犯罪の黙認にならないか。

 覚せい剤は「氷」「白」、大麻は「野菜」などの隠語を使っての取引が実際に相次いで発覚している。犯罪の誘発に手を貸した形になるとみて、警視庁は麻薬特例法違反(あおり、唆し)のほう助の疑いで関係先を家宅捜索した。

 警察当局の安易な介入は許されないが、自浄能力が期待できないのではやむを得まい。対面せずに売買できる手軽さは薬物汚染の拡大につながる。

 2ちゃんねるには無名の個人を攻撃したり、裁判所が削除すべしと判断したりした場合を条件とした削除基準がある。だが、運用はボランティア任せだ。監視機能が働いているのか怪しい。違法・有害情報の基準は判然としない。

 ネットは公共空間だ。犯罪の温床となっては規制強化を招く。情報の自由な流通を守るためにも透明で責任ある運営を求めたい。
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