2013年08月20日

【毎日新聞】 大治朋子「日本は米国の属国…米国の主張をうのみにして、必要以上に中国脅威論を重視し、日本の国益を見失っていないか」

■発信箱:思考停止の危険=大治朋子(エルサレム支局)(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
沖縄県で今月5日、在日米軍のヘリコプターが墜落した。米国の映画監督、オリバー・ストーン氏が沖縄を訪れたのは、その後間もなくだった。

 ストーン氏はベトナム戦争を描いた映画「プラトーン」(1986年)などで知られる社会派の巨匠だ。沖縄の戦跡などを訪ね、琉球新報社で開いた記者会見でこう語った。「日本は米国の衛星国、属国のように米国に付き従っている。非常に残念に思ったのは、米国を支援するという、受け身の共通認識だ。日本の平均的な人々は中国の脅威を口にするが、(その発想は)ワシントン(米国)から来ていて、単純化された危険なものだ」

 「属国」という強い言葉に注目が集まったが、私はビデオを見て、彼が、米国の意をくみ取って動こうとする日本人の「思考停止」ぶりに驚き、落胆し、何よりそれがいかに危険かを警告したかったのではないか、と感じた。

 財政難の米国はいま、在日米軍の再編などを通じて、いかに米国のお金を使わず、「脅威」から米国を守るかに腐心している。東アジアの「脅威」や沖縄の基地問題を米国が語る時、そうした発想がベースにあることは当然織り込んで受け止めなければならないが、日本はどうも、米国の主張をうのみにして、必要以上に中国脅威論を重視し、日本の国益を見失っていないか。米国の思考に追随するだけでは属国同然であり、その自らの思考停止をまずやめない限り、日本の国益を第一に考える戦略などありえないのではないか。

 ストーン氏の言葉にはそんなメッセージが込められていて、沖縄の基地問題の本質を見事にえぐったものだと感じた。
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【ゲンダイ】靖国参拝を強行した新藤&古屋2閣僚と安倍首相のルーツは玉砕軍人と特高警察そしてA級戦犯――と日刊ゲンダイ

■靖国参拝を強行 新藤&古屋2閣僚のルーツ(ゲンダイネット)

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 15日の終戦記念日に、自民党などの国会議員102人が靖国神社を参拝した。黒塗りのクルマから本殿に向かった閣僚をテレビで見て、「おやっ?」と思った人もいるだろう。2人の男の“先祖”が気になるのだ。

 まずは新藤義孝・総務大臣(55)。この人の母方の祖父が太平洋戦争の指揮官、栗林忠道中将(死後大将に昇進)であることは有名だ。栗林は1944年に硫黄島に着任し、翌45年3月、同島に上陸した米軍と激しい戦闘を交えて戦死した。米映画「硫黄島からの手紙」で渡辺謙が演じた将校といえばピンとくるだろう。

 映画では物分かりのいい親分肌だったが、実際は大本営に玉砕する旨を打電。2万人余りの将兵を戦死させたのだから責任は軽くない。

 古屋圭司・国家公安委員長(60)は自治大臣兼国家公安委員長を務めた古屋亨を父に持つ。亨は東京帝国大学を出て戦前の内務省に入省したが、見逃せないのが岩手県で特高課長を務めていたことだ。特高は正式名称を「特別高等警察」といい、治安維持法のもと、政府や軍部に批判的な人たちを弾圧した。

 亨が特高課長を務めたのは39年5月〜同年12月。岩手県の資料によると、この年、同県で「公安を害する者」として検挙された人は4786人に上る。

「告発 戦後の特高官僚―反動潮流の源泉」の著者の柳河瀬精氏はこう言う。
「特高は日本の侵略戦争に反対し、国民主権を主張した人たち7万5681人を検挙し、拷問しました。東京・築地署でなぶり殺しにされた作家の小林多喜二が有名です」

 そもそも安倍晋三首相(58)の祖父、岸信介がいわくつきの人物だ。満州国の経営に関与し、開戦時は商工大臣として物資動員を担当。敗戦直後にA級戦犯として逮捕されたが、なぜか不起訴となり、57年に総理大臣に就任した。

 玉砕軍人と特高警察、そしてA級戦犯――。この内閣は戦前と因縁が深い。安倍政権が右傾化するのと無関係ではないのかもしれない。
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2013年08月18日

【朝日新聞】 韓国電力大乱 脱原発依存に向けたエネルギー協力を日韓で話し合うスタートとしたい

■韓国電力大乱―脱原発へ一緒に進もう(朝日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜

 最高気温が40度を超える地域が出るなど、猛暑続きの韓国が深刻な電力不足に陥っている。

 国内の原子力発電所で不正が発覚したことなどから、23基ある原発のうち5基が稼働停止しているためだ。

 韓国政府は原発への依存度をひたすら高めてきた。しかし、今回の騒動を機に、脱原発依存を求める国内の声はかつてなく強まっている。

 朴槿恵(パククネ)政権は年末までに今後の原発と自然エネルギーの比率を盛り込んだ基本計画をまとめる方針だ。切実な声に耳を傾け、脱原発依存に向けた本格的な取り組みを始めてほしい。

 電力危機を引き金に、韓国で怒りをこめてささやかれる言葉がある。

 「原発マフィア」だ。

 5月、原発に性能証明書を偽造した部品が使われていることが発覚。不正を見抜けなかった理由を探るなかで、原発を運営する公営企業や研究者、規制機関などで作る閉鎖的なグループが存在することがわかった。

 検察当局は次々に関係者を調べ、逮捕者も続出している。

 李明博(イミョンバク)・前政権は原発の建設・輸出を推進し、発電での原発比率を30年に1・6倍の約6割にするとした。先進諸国では最低レベルの自然エネルギー比率は増加させるものの、大きな期待を寄せない。

 朴政権が、この路線を踏襲するのかどうか。

 韓国でも、福島第一原発の事故後、原発は決して安くないとの認識が広まり、自然エネルギーへの転換の必要性が叫ばれてきた。脱原発依存を唱える国会議員も徐々に増えてきた。

 手本となる動きはすでに始まっている。ソウルの朴元淳(パクウォンスン)市長は、14年までに原発1基分を自然エネルギーと節電で補う計画を示し、達成はほぼ確実だ。

 浄水場の敷地やバス停の屋根に太陽光パネルをとりつけ、節電などに協力すればIC乗車券のポイントを増やしている。ソウル市には他の自治体からの視察が相次いでいる。

 朴大統領は看板政策に「東北アジア平和協力構想」を掲げている。原発の安全や災害への対策などを地域で話し合おうという提案だ。

 原発で大事故が起きれば、その影響は日本など周辺地域に広がる。そのリスクはお互いさまだ。使用済み核燃料の最終処分も共通の難題である。

 記録的な猛暑に見舞われたこの夏、原子力の安全はもちろんのこと、脱原発依存に向けたエネルギー協力を日韓で話し合うスタートとしたい。
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2013年08月17日

【北海道新聞】 閣僚靖国参拝 戦争への反省はどこへ

■閣僚靖国参拝 戦争への反省はどこへ(8月16日)(北海道新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
新藤義孝総務相と古屋圭司国家公安委員長兼拉致問題担当相、稲田朋美行政改革担当相が終戦記念日のきのう、靖国神社を参拝した。安倍晋三首相は自民党総裁として私費で玉串料を奉納した。

 中国、韓国は強く反発しており、冷え込んだ両国と日本の関係がさらに悪化する恐れがある。

 首相ら主要閣僚が参拝を見送っても、他の閣僚が参拝すれば中韓両国の非難を免れないことは春季例大祭の例からも予想されていた。閣僚の参拝を「心の問題で自由だ」として容認してきた首相の責任は重い。

 自らこじらせた中韓両国との関係改善をどう図るつもりなのか、首相は道筋を示すべきだ。併せて、政教分離の観点からも問題が多い靖国神社参拝に代わる、新たな追悼のあり方に関する議論を急ぐ必要がある。

 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は、日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」記念式典で、新藤氏らの参拝を念頭に「歴史問題が韓日関係の未来を暗くしている」と非難した。

 中国外務省は「歴史の正義と人類の良識に対する公然とした挑戦だ」との談話を発表するとともに、木寺昌人駐中国大使を呼んで抗議した。

 首相は全国戦没者追悼式で、1994年の村山富市首相の式辞以降、歴代首相が触れてきたアジア諸国への加害と反省に関して明言せず、不戦を誓う言葉もなかった。

 閣僚の靖国参拝による日本への不信感を払拭(ふっしょく)しなければならない時に、逆に増幅させるかのような姿勢は理解に苦しむ。自らは参拝せず、玉串料奉納にとどめることで中韓に配慮したつもりなら認識が甘すぎる。

 古屋氏は参拝後、「よその国から批判とか干渉を受けるものではない」と述べた。

 だが靖国神社は先の戦争を正当化する歴史観を持ち、A級戦犯を合祀(ごうし)している。閣僚の参拝は侵略戦争の肯定と受け止められる。

 宗教施設である靖国神社への閣僚参拝は政教分離原則に抵触する可能性も指摘されている。

 新藤氏は「私的な行為」だと説明したが、そもそも閣僚の参拝を私的か公的かで線引きするのは難しい。

 新たな追悼のあり方を考える際、土台となるのは2002年、当時の福田康夫官房長官の私的懇談会がまとめた、「国立」「無宗教」の施設が必要だとする提言だ。

 日本遺族会や自民党が反発し、提言はその後たなざらしになっている。靖国参拝に強くこだわる首相も新追悼施設に否定的な見解を国会で示した。ならば代案を示すべきだ。

 戦没者追悼という大切な行為が政治的、法的に問題になるような状況をいつまでも放置してはならない。
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【毎日新聞】戦争を知らない世代が想像を膨らませ、勇ましい議論を振りかざしている。どうか立ち止まって冷静さを取り戻してほしい★3

■憂楽帳:戦争(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
故郷の山形にある墓所に幼子の小さな石像が立つ。旧満州(現中国東北部)で亡くなった父の弟の遺骨を、祖父母は大切に持ち帰り、ここに葬った。

 日米開戦の2年前、一家は永住する覚悟で満州に渡った。ソ連参戦で祖父が応召し、祖母は4人の子を連れて現在の北朝鮮に逃れた。その3日後が68年前の今日。敗戦と共に疎開は抑留に変わる。半年後、厳寒と飢餓の冬を越して満州に帰り着いた時、4歳の末子は見る影もなくやせ衰えていた。

 祖母の手記に亡き子を思う歌が収められている。「美しき花を供へてをろがめど児(こ)の魂はいづくにて見む」

 コソボ紛争から6年間、戦争報道に携わった。戦火のパレスチナやイラクを歩き、普通の人々に計り知れない犠牲を強いる戦争の本質を幾分か、自分のものとして理解するようになった。

 戦争は遠い歴史ではない。目の前の政治が生む現実だからこそ避けねばならない。今、戦争を知らない世代が想像を膨らませ、勇ましい議論を振りかざしている。どうか立ち止まって冷静さを取り戻してほしい。【井上卓弥】
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2013年08月09日

【毎日新聞】 「ナチス問題デリケートなので発言前に資料で事実確認しましょうね。未曽有は『みぞう』と読みましょう。麻生さん!」★2

■発信箱:過剰なサービス=榊原雅晴(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
あるイベントを取材するようPR会社から依頼書が届いた。そこには「差し出がましいのですが……」とただし書きがあり、“記事案”が同封してあった。つまり「こんなふうに書いてみたら」というお手本。それが私が書くより上手なので、プライドが少々傷ついた。

 ある外国要人が来日した。招請した団体から記者会見の案内が届き、その人物の経歴や業績紹介が添えてあった。行き届いた配慮に大いに感謝。だが末尾に「資料は必ず事前に目を通しておくように」と強い調子で注意してあるのに驚いた。確かに最低限のマナーだけれど、それって駆け出し記者にデスクが言うセリフでしょ。

 がんを放射線で効果的にやっつける医療機器が開発され、メーカーが発表した。プレゼンを聞きながら「医学の進歩はたいしたもんだ」と感心していたら、最後に広報担当者が「念のため注意しておきますが、放射線の『ひばく』は被曝と書いてください。被爆ではありません。くれぐれもお間違えのないように」。心配は分かるけど、こちらの日本語力がそんなに頼りなく見える?

 どれもこれも、ものごとを正確に伝えてほしいという熱意の表れであり、目くじら立てることではあるまい。サービスが少し過剰だっただけ。

 でもね、と思う。そうした過剰サービスなら、ほかに必要な人がいるんじゃない?

 こういう言葉遣いなら誤解なく真意が伝わりますよ。ナチス問題は特にデリケートなので発言前に資料で事実確認しましょうね。未曽有は「みぞうゆう」ではなく、「みぞう」と読みましょう。

 こんなアドバイスをしてくれるスタッフがいればよかったのにね、麻生さん!(京都支局)
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで


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2013年08月04日

【毎日新聞】戦後ドイツは、ナチスの過去と向き合ってきた…「歴史を丁寧に教えて」 短く重い言葉。まずは大人がもっと学ばないと

■憂楽帳:歴史を教える(毎日jp)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
ベルリンの公立小学校に通う6歳の娘が、大変な絵を描いてしまった。ナチスのシンボルマーク「カギ十字」だ。ドイツでは、公の場でこれを掲げるのは厳禁。まだ家の中でよかった。

 「どこでこれを覚えたの?」「パパが読んでる本の表紙。なんか変な形だったから」。そういえば、日本から持ってきたナチス関連の本を、うっかり食卓に置いたままだった。

 そんな話を保護者面談でハンガリー系の担任教師に伝えると、笑いながらも「いつかきちんと、お父さんからも歴史を丁寧に教えてあげてくださいね」と言われた。

 戦後ドイツは、苦労しながらナチスの過去と向き合ってきた。5本の指をまっすぐ立てるナチス式敬礼は刑事罰の対象になるため、子供たちは教師に質問する際、人さし指だけ伸ばして手を挙げるのが今のドイツだ。一方で極右ネオナチの暴力が続くのも、まぎれもなく今のドイツだ。

 「歴史を丁寧に教えて」。短く、重い言葉。まずは教える側の大人が、もっと学ばないと。【篠田航一】
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2013年07月31日

【朝日新聞】 「中国はラーメンの『領有権』までは主張してません。日中間に建設的な未来を築く道はまだ開けています」〜天声人語

■天声人語(朝日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
3年前のきょう、小欄はこう書いた。「おとといの民主党両院議員総会の有り様に、この党を見限った人もおられよう」。やはり参院選が戦われた夏だった。自民1強体制が固まった7月の言葉から▼今回、ネット選挙が解禁となった。東京経済大教授の西垣通(にしがきとおる)さん(64)は「ネットは切実な政治的議論の場としては未成熟」と見る。炎上など負の側面もある。「ネット上でも自分を賭して責任ある発言を投げかける文化をまず育てたい」▼原発も問われた。事故の衝撃が風化していないか。沖縄出身で、福島原発に40年関わってきた技術者の名嘉幸照(なかゆきてる)さん(72)は、「かつて沖縄で、『俺たちは日本人ですか』と本土の人によく言った。同じ言葉を福島の人に言わせたくない」▼憲法論議は深まらなかった。家族は助け合えと自民党の改憲草案は促すが、生活に困る人々を支援している府中緊急派遣村の松野哲二(まつのてつじ)さん(64)は懸念する。「幸せな家族をつくれない人は、淘汰(とうた)されて当然、という国になりかねない」▼広島、長崎の日を前に米国の元国務長官コリン・パウエルさん(76)が本紙に答えた。「まともなリーダーならば」核兵器を使おうなどとは決して考えないだろう。「使わないのであれば基本的には無用だ」▼ラーメンの歴史を研究する英ケンブリッジ大准教授のバラック・クシュナーさん(45)が言う。「中国はラーメンの『領有権』までは主張してません。日中間に建設的な未来を築く道はまだ開けています」。かくあれかし。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで

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2013年07月26日

【朝日新聞】 「戦後補償問題めぐり、日韓関係を揺るがしかねない判決が韓国で出た…対話を急ぐ必要がある。混乱回避へ知恵しぼれ」★2

■徴用工の補償―混乱回避へ知恵しぼれ(朝日新聞)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
戦後補償問題をめぐり、日韓関係を揺るがしかねない判決が韓国で出た。

 戦時中に朝鮮半島から動員された元徴用工4人の訴えについて、ソウル高裁が個人の請求権を認めた。被告の新日鉄住金に1人あたり1億ウォン(約900万円)の支払いを命じた。

 韓国の裁判所が戦後補償問題で日本企業に賠償を命じたのは初めてだ。これまでの韓国政府の見解からも逸脱する判断であり、歴史問題がいっそう複雑になりかねない。

 個人の請求権が認められるかどうかについては様々な解釈が存在しているが、日本政府は、1965年の日韓請求権協定により「完全かつ最終的に解決された」と主張している。

 韓国政府は、従軍慰安婦、サハリン抑留、原爆被爆の三つについては協定の対象外と訴えてきたが、徴用工については、協定に沿った日本からの無償経済協力で解決済みとしてきた。

 盧武鉉(ノムヒョン)政権下では、韓国政府が被徴用者の救済を怠ったと認め、慰労金や医療支援金の支給を始めた。李明博(イミョンバク)政権も基本的に同様の見解を踏襲した。

 だが今回の判決は、そうした経緯は踏まえておらず、納得するのはむずかしい。

 新日鉄住金は上告する方針だが、そもそも韓国の大法院(最高裁)が昨年春、個人の請求権を認めたうえで審理を高裁に差し戻したことが発端になったため、判断が覆る可能性は小さいとみられている。

 今月末には、三菱重工業を相手取った別の判決も出る。大法院の判決後、日本企業への集団訴訟も相次いで起こされた。

 このままでは日本企業の韓国内の資産差し押さえ命令といった事態にもなりかねない。そうなれば韓国政府の信用問題になるだけでなく、両国関係に計り知れない打撃となろう。

 そんな事態を避けるためにも、韓国の朴槿恵(パククネ)政権は元徴用工らに向きあい、受け入れられる解決策を探るべきだ。日本政府も知恵を絞らねばなるまい。両政府は冷え込んだ関係を脱し、対話を急ぐ必要がある。

 韓国の関係者の間では、被害者支援のための基金を日韓でつくろうとの声が出ている。案としては、日本からの経済協力で発展した韓国企業ポスコ(旧浦項総合製鉄)が出資した財団を土台にする構想もある。

 いま必要なのは、長い目で見た関係を損ねない柔軟な対応を紡ぎ出す双方の努力だ。両政府は、韓国の司法判断を待つのではなく、混乱を未然に防ぐ行動を早急に始めねばならない。
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2013年07月16日

【琉球新報社説】日本の存在感は薄れる一方である 安倍首相の外交姿勢が問われている 米中戦略経済対話

■米中戦略対話 軍事衝突回避へ成果早く(琉球新報)

引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜
急速に国力を高める中国に対し、米国が経済を重視し、「新冷戦」や「尖閣などをめぐる偶発的紛争」に陥らないよう外交配慮を重ねている姿がはっきりしてきた。
 米首都ワシントンで11日に閉幕した米中両国の閣僚級の「戦略・経済対話」は、オバマ大統領と習近平国家主席の意思疎通を図るホットラインの開設で一致した。
 さらに、太平洋で中国海軍が広げている海洋活動を踏まえ、米中両軍の演習などを相互に通知する制度創設を目指すことも合意した。
 米軍と人民解放軍の艦船や航空機が近い距離で交錯してもお互いの演習日程や内容を把握し合い、突発的かつ無益な軍事衝突を極力避ける狙いがある。
 沖縄の尖閣諸島を含めたアジア・太平洋地域での軍事的緊張は高めないという国家意思を帯びた取り組みとして評価したい。できるだけ早く具体的成果を出してもらいたい。
 一方、経済面では、自由で公正な投資環境を保障する投資協定をめぐり、全分野を対象に交渉することで初めて合意した。新型ガス「シェールガス」開発での協力強化も確認している。
 ことし4月の中国の米国債保有額は、2位の日本を1600億ドル上回る1兆2060億ドルに達する。米国にとっては、中国が最大の輸出先となって久しい。
 安価な自国製品を大量輸出する戦略から、中国は国内産業を高度化して付加価値を高める戦略への転換を図っており、米国の最先端企業の投資を呼び込む思惑がうかがえる。
 中国の市場開放への一歩を刻んだ米国の財務次官は「大変な突破口だ」と歓迎し、中国の財務次官は「米中の経済はもう離れることはできない」と応じた。両国関係の変化を直視したい。
 中国国内の人権問題やサイバー攻撃問題では対立が解けなかった。6月のオバマ大統領と習近平国家主席の首脳会談で合意した「新たな形」の協力関係の具体像はまだあやふやだ。
 だが、8時間に及んだ首脳会談から1カ月余で、2日に及ぶ戦略対話が開かれたこと自体、米中関係は着実な改善を示している。
 歴史認識や尖閣問題を抱え、日中首脳会談は途絶えたままだ。米中が関係を深める間に日本の存在感は薄れる一方である。安倍晋三首相の外交姿勢が問われている。
〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで

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